講義がいよいよ佳境に入ったところで、虐待防止に関する講義がありました。
1.なぜ両親は子供に体罰をするのか?
- 文化的慣習だから
受講者はアジアや南米出身の方が多かったですが、みなさん口を揃えて「私の国では体罰は一般的なことだが、私の世代で辞めたいと思っている」と答えておられました。 - 現実世界に向けた準備
家庭の外に出たら暴力を振るわれるだろうから、慣らしておいたほうが良いという考え
2.なぜ体罰は子供にとって有害なのか?
- そもそも子供はひとりの人間として尊厳をもって扱われるべき対象であるから、暴力的に接してはいけない、ということが大前提
- 子供が「親しく他人と関わること」の定義が歪んでしまう
- 子供が親に対して恐怖心を抱いてしまうと、親を「愛しているが、恐れている」状態になる。
- 「誰かと親しくなることは、傷つけられることである」ということを経験から学んでしまう。
3.両親側の努力
良くないことだと誰もが考えている体罰だが、なぜこれほどにも長い間、広く社会に蔓延っているのだろうか?
- これは暴力ではなく躾である、という考え
- 自分は子供を叩く資格がある、という考え
- 多くの場合、親も自分の親から叩かれている
- 愛しているからこその体罰である、という考え