子供に、怒りを適切に表現する方法を教える
家庭内は、外の世界に出る前の予行練習であるーー 家庭内で感情表現の方法を十分に練習できていないと、家庭の外に出た時もうまく処理できない。
ということで、感情の処理の教え方について講義がありました。
1.怒る権利
(1)育児のゴールはスキルと、価値観と、道徳心を養うこと
アンガーマネジメントはスキルのひとつ。非暴力的に怒りを表現することは、家庭内の道徳心に関係している。両親が家庭内で怒りを表現するときは、暴力的な方法をとらないよう、良い見本になる必要がある。
(2)相手に敬意をもって怒る
叩く、怒鳴る…などの方法は、相手に敬意を持っているとは言えない。
2.よくない「怒り方」の例
(1)怒った時に枕を叩かせるのは良くない
叩く対象が人間でないとしても、怒りと暴力がセットで記憶されてしまうため、子に枕を叩くよう推奨するのは良くない。
(2)産まれたての子供は暴力を知らない
暴力的な子は皆、周囲の人間から学んだ結果そうなっている。非暴力的かつ問題解決的な姿勢の手本になれるよう心掛けたい。
(3)子を叩くことは、「他人をどう叩くか」教えていること
近年の研究でも明らかになっている。
3.子に「正しい怒り方」を教える方法
- 怒りについて子供と話し合う
自分の中に感情をため込むのは良くない。涙を流すことは、痛みの良い表現方法である - 怒りは、表現すべき感情であることを伝える
ため込むと爆発してしまうため。 - 全ての怒りは受け入れられるが、その表現方法は気を配る必要がある。
自分・他人・環境を傷つける表現方法はよくない! - まず怒りを開放すること、続いて、どうして怒りを感じたのか話すこと
怒りの解放には「話すこと」が有効 - 「3.」の条件を踏まえ、子が怒りを開放できる方法を2~3つ見つけること
- 怒りの原因について話し合うこと
怒りについて、因果関係を論理的に整理することは重要 - 次回の対応の計画を立てて、ごほうびを決める
次回同じような状況になったら、怒りについてどのように処置するか計画する。子が計画どおり処置できていたら、褒める。 - (おまけ)もし子供が動物を虐待していたら!
動物の虐待は、普通の子供がとる行動ではないため、即座にカウンセリングが必要!
4.怒りの原因を深堀する
怒りには原因がある。例えば下記のようなものがある。
- 自己主張の不足(自分の意見を伝えて交渉することができていない)
- 忍耐力の不足
- 体調の影響(ホルモンバランスなど)
- 過去のトラウマ
- 恐れ
- 恥ずかしさ
4.怒りを感じた時にできること
【よい例】
- 数字を10数える
- 読書
- 祈る
- 寝る
- 誰かと話す
- 小さなお菓子を食べる
【悪い例】
- 叫ぶ
- 体を投げ出してじたばたする
- 物を投げる
- 無視する
★感想
- あぁアメリカでは、こんなに小さいうちからアンガーマネジメントを教えるのか、と感心しました。さすがに会社ではブチギレしない私ですが、こと家庭の中で子供を前にしては、適切なアンガーマネジメントができている自信はありません。
- 社会人経験を思い返してみると、大人でも所かまわず、方法を選ばずキレる人がいる。そう思うと、子供達の人格形成の重要な時期に立ち会っているということを再認識しました。