日本の育児でも「自己肯定感」を大切にされている方が多いですが、それを包含する概念の「Self-worth(自分の価値)」について講義がありました。
- 1.Self-Worth(自分の価値) とは?
- 2.Self-Concept
- 3.Self-Esteem
- 4.なぜ自分の価値を高く保つことが大切なのか
- 5.子供がSelf-worthを高める要素
- 6.子供のself-worthを育む10の方法
- ★感想
1.Self-Worth(自分の価値) とは?
「自己」「自分」とは、性格・遺伝子・思想・感情・名前・文化・家族の起源・国籍・体形・外見・子育て方法・人脈などの人生のあらゆる要素で構成された、その人全体を指す。Self-Worthとは、この全体像に対して感じる価値を指す。
Self-Worthを高く保つことは、人生の目的のひとつであるとすら言える。
Self-WorthはSelf-ConceptとSelf-esteemの総称であるが、これらの言葉はしばしば混同される。
2.Self-Concept
Self-conceptは、自分自身に対する意見のことである。ポジティブか、ネガティブかで表現できる。
- ポジティブの例
- 私は有能な人間だ
- 私は愛される人間だ
- ネガティブの例
- 私は何もできない人間だ
- 私は誰からも愛されない
3.Self-Esteem
Self-Esteemは自分自身に対して持つ感覚のことである。高低で表現できる。
- 自己肯定感が高い例
- 私は大切に扱われるのにふさわしい
- 自分のことが好きだ
- 自己肯定感が低い例
- 私は叩かれたりやじられたりしても仕方がない
- 私には何の価値もない
4.なぜ自分の価値を高く保つことが大切なのか
- 自分を尊重できる人間は、他者や環境についても尊重することができるから
- いつも自分を低く評価する人の周囲には、同じような人間が集まってくるから。
- 統計的にも、自分の価値を高く考える子供は、より学業に秀でており、友達が多く、アルコールや薬物に対しての判断も懸命である。
5.子供がSelf-worthを高める要素
下記4つが、Self-worthを高める要素とされています。
- 家族(最も重要)
両親、きょうだい、祖父母などとの関係性。両親のパートナーシップ。 - 学校や職場
学校や職場での成功体験や、成功体験を生じうる環境。 - コミュニティ
友達、同僚、スポーツ参加、教会等の関わり - 自分自身
自分の体への気配り、学ぶ姿勢(educate our minds)、友達選び
- Self-worthは、周囲の人間が自分をどう扱うかにより育まれる。幼年期は家族の影響が大きく、子の年齢が上がるほど、2.~4.の影響が大きくなる。
- 幼年期にポジティブな経験が多いと、self-worthも向上する(逆もしかり)。
- 家庭運営のひとつのゴールが、安定したself-worthを育むためにポジティブな経験をより多く積ませることである。
6.子供のself-worthを育む10の方法
- 子供が成功体験を積める環境を与える
フルーツをつまむ、ショッピングカートを押す…など、子どもがやりたがったことを自分でさせ、成功させる - 小さく具体的な成功を期待する(常に成功することを求めない)
現実的に、常に成功し続けることは難しい。日常の些細な挑戦も成功ととらえ、大きな成功を常に期待してはいけない。 - 子供が成功体験を積めないときは、原因を探ってあげる
- 子供ができるようになったことを書きとめる、褒める
できるようになったことの「リスト」を作成し、落ち込んでいるときに読み聞かせたり、寝る前に伝えたりする。 - 自分の子供の行動について他人に伝える(子供自身にも聞こえるように!)
子供の成功体験を他人に伝える姿を見せることで、成功を追体験させる。もし同居家族がいない場合は、電話で誰かに話しているふりをしてもよい。 - 子供にやってほしいように自分が振舞う。そしてその振る舞いを自分で褒める
- 子供が新しい性質(親切、正直等)であるように明示的に振舞う
- 子供の考えや意見を尊重する
100%同意できない意見であっても、「あなたの考えはよくわかるわ、、」と前置きする。 - 弱みよりも強みにコメントするようにする
親は子の「弱み」に言及しがちである。子の強みと弱みを両方書き出して、強みについて、弱みの5~10倍の頻度で言及するようにする。 - (親が)忍耐強くなる
変化は徐々に起こるもので、すぐには成果が見えない。根気強く、一貫して注力すること。
子供のセルフイメージは、親の働きかけの積み重ねである!
★感想
- Self-conceptとSelf-esteemの違い、ちょっと難しかったです。ベクトルで言うと、Self-conceptが「方向」で、Self-esteemが「大きさ」というイメージを持ちました。で、Self-worthがベクトル全体という理解です。
- Self-worthの構成要素の中には、国籍や家族の起源・・・という要素まで、様々なものが含められて紹介されていましたが。個人的な考えですが、アメリカは日本に比べて、競争が激しく、(表立ってはいないものの)人種差別勘定などの葛藤もあり、受けられる教育水準の格差も大きく…と、日本より環境が厳しいように思います。その中でどうポジティブな気持ちを保ち、自己を律して生きていくか…そして自分の子供にそれをどう指導するか?ということについて、アメリカの保護者の責任は大きく、意識も高いように感じています。
- 子供のself-worthを育むための10のtipsが、すごーくアメリカ育児っぽい。家の中で、母が自分で自分を褒める姿を見せること(6番目のtips)は、簡単に実践できるので気に入っています。