仏の名を持つ柑橘
アメリカでの新たな趣味のひとつに「見たことのない食べ物を調理する」というものがあります。
ホールフーズで見かけた「Buddha's hand Citron」なる、個性強めのルックスをもつ柑橘を調理してみました。
<目次>
1.Buddha’s Handとは何なのか
ホールフーズの果物売り場で異彩を放っていたBuddha’s Handさん。原産地はインド、日本でも5トンほどの収穫があるそうです(日本ではブッシュカンと呼ばれているようです)。
グレープフルーツのような、さわやかな柑橘香を強く放っており、切ると果肉はなく、綿と皮しかありません。本当に香りが良く、調理していたらキッチンがいい香りに包まれました。
中国や日本では、縁起物として人気があるようです。アメリカでも10月~11月から店頭に出るようです(すべてのスーパーにあるわけではなく、見つけたらついつい買いたくなる程度の頻度だとか。)
2.大変。カビが生えた!
12月30日にスーパーで出会い、お正月の間に室内に飾っていたら、元旦にはカビが!
飾りものとして使用されることが多いようでしたが、案外長持ちしないようです。
せっかくだから調理したいと思っていたので、慌てて料理に取り掛かります。
3.レシピ
Mary’s Nestさんのレシピを参考にしました。動画もあってありがたいです。
(1)切る
半分に切ると、足の根本あたりが変色していました。半分ほど可食部を捨てることになりました。
(2)水に浸し、中火で40分煮る。
じっくりゆっくり煮ることで、苦みが減るそうです。
(3)水2カップ、砂糖3カップ追加の上、中火で煮詰める。
- アメリカのカップは水だと240cc/カップ、砂糖だと200g/カップなので、このとき水480ccと砂糖600gを追加しました。
- 温度が110度(230F)になったら加熱を止めます。温度計がない人は、動画を見てテクスチャーを確認し、目分量で加熱を止めても大丈夫だそうです。
102度の期間が凄く長い(50分ほど)。
105度くらいで、泡がもわもわ出てきました。
このとき107度ほど。かき混ぜないと吹きこぼれます。ここからすぐに110度に到達しました。
(4)110度に達したら火を止めて、1時間放置
110度で火を止めると、こんな感じでした。これを1時間ほど放置します。
(5)砂糖をまぶして24時間乾燥させる。
オーブンシートの上にピールを並べ、砂糖をまぶして24時間ほど放置します。動画では乾燥用のラックを使用していましたが、我が家ではラックをもっていないので、角ザルと角バットで代用しました。
砂糖は、まぶすとすぐに密着して溶けていきますが、それはそれで大丈夫だそうです。
小さなバットで乾燥させたので、できた時にピール同士がくっついていました。手ですぐにはがすことができましたが、大き目のバットで、個々のピールを離して乾燥させると、この手間が省けるようです。
(6)完成!
24時間後に完成しました。他の柑橘でも、同じ作り方でできるようです。
レモンやオレンジのピールよりも少し苦いような気がします。どうやら綿の部分が多いと苦くなるようで、苦みが好きじゃない人は綿を切り落として作ると良いみたいです。
普通に美味しいキャンディピールですが、あえて味で競うならば、レモンやオレンジに負けるかもしれません。やはりブッシュカンさんが一番輝いているのは、香しい芳香を放ちながら、飾られている時なのかもしれません。
副産物の砂糖(まぶした後の粉末砂糖、煮た後の液体砂糖)は、他の料理にはちみつレモン的な形で再利用できると、再三解説がありました。また何か作ってみようかな。