アメリカでの主婦生活を淡々と記録するブログ

アメリカ生活の備忘録。育児の思い出記録が中心です。慣れない環境で頑張って生活していますが、喉元過ぎれば自分でも「何を頑張ってきたか」忘れてしまうので、アメリカで頑張って来たことや悩み事、楽しかった思い出の備忘録として書いています。

アメリカ現地校で、母の私が学んだこと:置かれた場所で咲かない

渡米当初は悩みの99%が「子供が現地校に馴染めるか」だった私ですが、現地校入学からおよそ1年半たち、気づけば我が子たちも「現地校(英語生活)に順応した!」とハッキリ言える状態になりました。

思ったよりも複雑で、親の私にとっても学びのある経験だったので、書き残します。

結論を先に言うと

  • 思っていた以上に「個性」は多様。そして強力。
  • 短所も、環境によっては長所に化ける(逆も然り)
  • 自分自身を理解し、主体的に環境を選ぶことが大事。合わない環境で我慢しない

という、よくビジネス本にかいてあることを実体験し、やっと心の底から納得したのです。

<目次>

 

 

1.アメリカ現地校(日本人多め)、およそ1年半経過

まず大前提として、私はアメリカの日本人街に住んでいます。ある程度人気の学校に通えば、概ね全てのクラスに複数人の日本人がいます

(人気というのは、「評判が特に良い学校」という意味ではなく、駅近・アパート暮らし・車ナシ生活…という、日本人っぽい生活習慣を選択すると、自ずと特定の学校に日本人が集まるのです。)

 

親も子も、日本人だけでグループを形成して生きていくことが可能な街に住んでいます。
(子の語学力、現地校慣れにおいては、この「周囲に日本語を話す人がいるか」ということが本当に大きな要素だと感じます)

さてここで、息子はPre-K~キンダー、娘は保育園の2歳クラス~Pre-K3と、いずれも日本人がたくさんいる学校で育っています。

1年目はひたすら日本人のグループで過ごしましたが、英語の理解が深まるにつれ、日本人以外の子供たちとも交流が深まり、現在は人種関係なくお友達が作れるようになりました。

(もっと早く馴染んだ子もいるだろうし、もっと上手に英語を話す子もいます。ただ我が家の場合は「毎日楽しく登園すること」を目標にしてきていて、それが達成できたのでヨシとしている、マイペースな事例になります。)

 

2.「子供の英語力」は奥が深い

では現在、お友達とどの程度英語を使っているかというと、単純なことばかり言っている気がします(実年齢相当の英語力ではないように思います)。

実際の語学力よりも、「相手の言っている英語がわかる」「言いたいことはだいたい英語で表現できる」と、子供自身が自分で納得できるかどうかが、ひとつのターニングポイントであったように思います。

うちの子供たちは、この「自己採点」が比較的甘いようで、間違えを臆さずに英語を話し始めました。子供によっては、この「自己採点」が厳しい子もいるようで、この場合、なかなか英語を発語できないそうです(と、現地校の先生が言っていました。)。

 

3.「あの子は英語ができる」とは?:4技能のバランスはそれぞれ

ペラペラと英語を話し、アメリカ人のお友達がたくさんいる子は「英語ができる」と言われる傾向にあります。
しかし、日頃全く英語を発さない子でも、先生の発言をかなり正確に聞き取っているケースもあり、英語の能力というのも、ぱっと見ではわからないものだと感じました。

正直なところ、渡米当初は、この「話せないけど聞き取りはできている」というコメントに半信半疑でした。それは学校生活のルーティンを慣れて覚えているだけでは?と思っていたからです。

先生の説明したこと(学校の授業、歴史や祝日などの文化的なものなど、日本人が知らないこと)を子供が自宅で説明することがありますが、全く英語を話さない子が、驚くほど内容を正確に報告する姿を、実際に何度も見ました。
逆にペラペラ英語を話す子が、先生の説明はよく理解していないという話も聞いたことがあります。
同じ環境で過ごしても、4技能のうち、どれが伸びるかは子供によって違いがありそうだ、と感じるようになりました。

また、幼児の英語力は維持が難しいので、スピーキングがない子でも、リーディングが得意であれば、帰国後の英語が維持しやすいかもしれません。

小学生にもなると、駐在の日本人キッズは、子供たち同士で英語力をランク付けしていると聞き、彼ら彼女らが晒されている英語への負荷を思うと心が苦しくなりました。

実際は、「英語ができる」も、思ったほど単純ではないように思います。

 

4.英語の習得に影響した(ように思う)こと

(1)間違い耐性

英語の習得スピードは、能力(頭の良さ?)というより、性格の影響が大きいように感じました。
現地校の先生いわく、大雑把でミスを恐れない子供は英語の習得が早いそうです。
逆に、英語を話さない子は、完璧主義で「ちゃんとできないこと」をストレスに感じやすい子とのことでした。

 

(2)個人行動耐性

子供の発達過程として、まず「誰と遊ぶか」より先に、「何をして遊ぶか」というフェーズがあるように思います。
精神年齢の高い子ほど、幼児でも「誰と遊ぶか」に重きを置き始め、グループを形成し始めるように思いますが、そうでない場合は、グループを形成せず、自分のやりたい遊びをひたすらやっているように思います。

この「周囲を気にせずに、自分のやりたいことをやる」タイプは、個人行動をしているうちに、自然と人種を問わずにお友達ができていくような気がします。
幼児の遊びは、日本とアメリカで大差ありませんので、自分がやりたいことをやっていたら、自然と仲間が集まってきて一緒に遊んでいる、という現象はよくあります。

 

(3)運

元も子もありませんが、他のお友達との相性も、かなり大きく影響したと感じました。娘の場合は、周囲に女の子が寄ってくることが多く、そのうち何人かはとっても世話好きなタイプでした。娘は時に意味不明なことを言っていたと思いますが、それでもなぜか懲りずに相手をしてくれました(息子の時は、こういうタイプの子は周囲にいませんでした)。

 

5.ある環境での短所が、別の環境では長所になる(逆も然り)

子供たちが、決して上手ではないにしても、現地校生活を快適に送れる程度には英語が話せるようになったのはよかったのですが・・・ 

英語学習と相性がよかったポイントが「ミスをしない大雑把さ」「個人行動への抵抗のなさ(むしろグループ行動ができない。精神年齢が低い)」ということで、これらはむしろ日本社会的には短所では?と思います。

「ああ、大雑把で褒められる世界があるんだ!!」と、これがかなり衝撃的でした。

これまで自分の尺度では100%短所だと思っていた要素が、ポジティブな結果をもたらすことがあるということを、生まれて初めて体感しました。

また、現地校(しかも日本人も多め)という特殊環境への適応の過程を見ていると、比較的柔軟と言われる幼児でさえ、既にハッキリと性格の違いが存在するということを感じました。

人間には、努力どうこうで変えられない根本的な部分があり、それが環境によって長所になったり、短所になったりするんですね。

 

6.自分に合った環境を選ぶことの大切さ

私はなんだかんだ「置かれた場所で咲きなさい」の精神で育てられてきた世代なので、自分の環境を変えることに抵抗があります。

でも、この現地校順応への葛藤を経て、自分の長所が活きる環境を主体的に選ぶことの大切さを思い知りました。これらはビジネス書によく書いてあることではありますが、自分で経験してやっと心の底から納得できたのです。

であれば、自己分析がしっかりできていることは、環境選びの第一歩で、幸せな人生の出発点になりますね。

子供たちにも、自分の長所と短所をよく自覚してほしい。そのために、心に残る経験をたくさんして自分を知り、自分に合った場所で時間を使ってほしいと、あらためて感じました。