アメリカでの主婦生活を淡々と記録するブログ

アメリカ生活の備忘録。育児の思い出記録が中心です。慣れない環境で頑張って生活していますが、喉元過ぎれば自分でも「何を頑張ってきたか」忘れてしまうので、アメリカで頑張って来たことや悩み事、楽しかった思い出の備忘録として書いています。

HSC (Highly Sensitive Child)と生きること

「育てにくい子」と共に歩む人生

昔から、自分の子育ては人よりも大変な気がしていて、違和感がありました。


違和感は、遡ると産後の新生児室にいる時まで戻ります。
なぜか息子だけひときわ泣いている。
「あれ?なんか私の育児って、もしかして・・・。うまくいっていない??」
その後も、なぜか寝ない・なぜか泣き続けるの0歳時代
数年単位で続くイヤイヤ期、終わらない癇癪、…長男の育児は常に試行錯誤でした。

 

2人目の育児は噓のようにスムーズで、違和感は確信に変わっていきました。
似たタイプのお子さんを持つお友達ママが、「うちの子はHSCなんだよね~」と
HSCの子育てハッピーアドバイス」という本を紹介してくれたので、読んでみました。

 

<目次>

 

 

★HSC (Highly Sensitive Child)とは

アメリカの心理学者エレイン・N・アーロンが提唱した概念で、本書に挙げられていた主な特徴は下記のとおりです。

  • 人いちばい敏感な子。すべての子供の15~20%。どの性別、人種にも存在する。
  • 共感力があり、直感が鋭く、想像力が豊か。思慮深く慎重。
  • 大きな音や大量の情報に圧倒される。todoが多くなるとプチパニックに陥る。
  • 人前など、刺激の多い場では動揺しやすくなる。
  • 注意力が高いが、五感が優れているわけではない。単に、受けた情報に対して、脳がフル稼働するというだけ。
  • 気が付くことに、その子ごとに得意分野がある
    • 雰囲気や表情の変化
    • 自然の変化
    • 新しい環境が好きorいつもの慣れた環境が好き
    • 動物とのコミュニケーションが得意
    • ユーモアやジョークが得意
  • 自分が気づいたことをじっくり考える
  • 感受性が豊かで、あらゆることに強く反応する
    • 深い感動、尊敬の念、喜び
    • 恐怖、怒り、悲しみ
  • 豊かな内面生活。異なるもの(外国人、赤ちゃん、高齢者、動植物など)とのコミュニケーションが得意。

★HSCチェックリスト。結局、我が子はHSCなのか?

本の内容を勝手に転記しては申し訳ないので、具体的な内容は書きませんが、23個のチェックリストがありました。
割と核たる特徴に該当がない気がするので、うちの子供がHSCなのか、まだ疑問符が残りますが・・・。
23個中13個チェックがつけばHSCと説明があった中、うちの子供は21個該当がありました。基準上は、立派なHSCちゃんなのかもしれません。


★心に残った言葉たち

我が子がHSCかどうかはさておき、この本には、育児にあたり大切な心構えが書いてあると感じました。

  • 他の子と違う子を育てているのだから、他の親と違う親になる覚悟が必要
    • HSCは「5人に1人の子」であり、こういう子を育てる場合、一般的な育児アドバイスが奏功しないこともある

    • これは、これまでの育児の実体験と合わせても納得できました。癇癪や寝つきの悪さなど、(私にとっての)育児上の課題が見つかるたびに、他の子の成功エピソードや、一般的な対応策を調べて対処しましたが、全く効果がないことが多かったのです。むしろ、効果が出たことがないぐらいです。

  • 「甘やかすから我儘になる」のは間違い
    • 例えば癇癪の強さの場合。癇癪を叱ると、さらに癇癪が激しくなってどうしようもない状態に陥ります。ゆえに「イヤイヤ期は、親がビシッとしつければいいんだよ!」的なアドバイスは基本的にうまくいきませんでした。

    • これは「甘やかしているから癇癪が激しくなる」のではなく「もともと敏感であり癇癪を起こしやすい」「それに親が適応した結果、傍目には『甘やかし』に見える」と、密かに思っていましたが、それを実際に文章化した育児書に初めて出会ったので、驚きました。

 

  • 「(自分が子に期待していた宝物は)この子にないんだと、知ることも大切です」
    • イラストの抜粋になりますが、こんなことが書いてありました。

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    • アメリカに来て専業主婦生活をする中で、私にも実は、「やってみたかった育児」があったことに気が付きました。欲張っているつもりはないのですが、自分が幼少期に親にしてもらったことを、息子や娘と一緒にやりたいと思ってしまうのです。そして結局それが、息子とはできなかったり、負担になったりしたように思います。
      • その究極が、息子をアメリカに連れてきたことだと感じています。私自身も幼稚園時代にアメリカにいて、その経験にとても感謝していたので、今回一緒に渡米しました。息子に関しては環境の変化で辛かったことも多く、日本にいたほうがよかったと反省しています。
    • 子供は自分とは別の人間と考え、彼らのペースを尊重すべきと自分に言い聞かせています。習い事などプラスアルファの部分はさておき、通常の学校生活の中でも、年齢相応にできないことがあった場合、どうしても「できるようにしてあげたい」と思ってしまいます。それも、本人にはプレッシャーになるんですよね。
    • この「向上心」は、私自身が成長していく中では長所でしたが、子を育てる中では短所として、度々私を困らせます。

★こんなに難しい育児があるんですね

「育てにくさ」の理由を知りたかった

この本を読んで、子供が産まれてからずっと抱えていた違和感が、きれいに文章化されていて、救われたような気持があったのは事実です。

0歳児時代の赤ちゃんサークル、保育園、アメリカの幼稚園。この集団にいても、自分の子供は特別に手がかかるように思えました。
しかし違和感の正体は曖昧で、単に私が、育児業に対して忍耐が足りないだけだと感じることもありました。
自分の子供がHSCなのか、親としての私の苦労に「HSCの親だから」とラベルをつけられるのか…、白黒つけることに、あまり意味はないんだと思うようになりました。

 

育児書の知識が通用しない子が2割もいる

それよりも大きなインパクトがあったのは、「世の中には、一般的な育児セオリーとかけ離れた対処が必要な子供が2割もいるんだ」ということでした。

本などの一般知識に頼りがちな私としては、(本よりも)子供たちをよく見て、自分が必要だと思う対処を自信をもってやるべきだと感じました。

この、「課題があった時に、客観的知識を頼りに対処法を考える」という習慣は、私自身の人生にとっては、良い習慣でしたが、育児には通用しないことがあるんですね。
これはちょっとショックでした。「これまでの長所が裏目に出る」ことに負けず、育児業務にも柔軟に対応していけたらと思っております。