アメリカでの主婦生活を淡々と記録するブログ

アメリカ生活の備忘録。育児の思い出記録が中心です。慣れない環境で頑張って生活していますが、喉元過ぎれば自分でも「何を頑張ってきたか」忘れてしまうので、アメリカで頑張って来たことや悩み事、楽しかった思い出の備忘録として書いています。

アメリカの学校@5歳児(Kindergarten)

子供が通う現地幼稚園について

  • 渡米したての頃に、近所の方から口コミを教えていただき、子供を近所のモンテッソーリ系のプリスクールに入学させました。
  • 昨日はその現地プリの保護者会があり、日頃子供たちが行っているWork(お仕事)の説明がありました。これが結構素晴らしくて感激しましたが、私のことですから、すぐ忘れてしまいそうなので記録します。
  • 私立のモンテッソーリ校ということもあり、公立のキンダーなどと比べると、やや個性的なように感じます。「これがアメリカの教育です!」ということではないのかもしれません。

<目次>

1.算数(足し算)

★Addition Strip Board
  • 算数については、1年かけて徹底的に数量感を叩きこんでいくようです。まずはStrip Boardという棒を並べて、簡単な足し算をします。子供がいつも持ち帰ってくるプリントは、公文式のように数式だけやって帰ってくるものかと思っておりましたが、計算問題をやってきた日は、いつもこういうツールを用いて数量感を育みながらやっているようです。
  • www.guidepostmontessori.com
★Addition Finger Chart
★Short Bead Chains (Countingに活用)
  • どちらかというと掛け算で活躍するようですが、Short Chainも足し算やCountingの段階から活用されているようでした。出題された計算問題に沿って、チェーンを並べて数えます。
  • 全部数えると大変なので、5,10,と節目の数だけ数えるようになります。この節目の数に目印として、Skip counting arrowという紙の矢印を置いていきます。
  • www.guidepostmontessori.com

★Stamp Game (筆算に活用)
  • 4桁+4桁の足し算は、筆算で行われていました。フリーハンドで行うのではなく、それぞれ1の位、10の位…とこのチップ(Stampと呼ばれていました)を並べながら作業するようです。
  • 慣れたら「繰り上がり」を学ぶようです。いちいちStampを置きながらやるのは、繰り上がりのイメージを持たせるためにやっているようでした。
  • reachformontessori.com

 

2.算数(引き算)

★Subsutraction Strip BoardとSubstraction Finger Charts
  • 9月に足し算から始まり、10月か11月頃から引き算の授業に入るようです。足し算と同じツールが、引き算にも用いられます。Strip Boardは足し算と全く同じでしたが、Finger Chartsは足し算用のチャートとは違う表となっていました。
  • うちの学校は少人数教育・個別指導が売りです。アメリカは飛び級のイメージがありましたが、どうやら1年かけてじっくり足し算引き算掛け算を学ぶようです。どうしても退屈してしまう子がいる場合は、人より先の課題を与えることもあるようでしたが、どんどん難しいことをやらせるより、深く理解することを優先しているようでした(むしろ日本の公文式の方が、飛び級感があるように思いました。

3.算数(掛け算)

★Bead Board
  • 公立のキンダーでは掛け算をやらないので、余力のある子の努力目標とされていましたが、春(3~4月)頃に掛け算を始めるそうです。
  • 出題にあわせて、実際にビーズをボード上に並べていくBead Boardは、先生も「これはビーズがコロコロ散らかるから大変なの!」と言っていました。
  • www.alisonsmontessori.com

  • なお、足し算と掛け算で使ったStrip BoardとFinger Chartは、掛け算バージョンもあるそうです。
★Short Bead Chains (掛け算や、二乗三乗数の理解に活用)
  • Countingでも出てきたShort Bead Chainsですが、掛け算の学習で本領を発揮するようです。Countingでは、単体のChainを並べて使用しますが、掛け算ではChainをいくつも繋げて使用します。
  • 正方形を作れば二乗数(10のChainを10個並べて100)、立方体を作れば3乗数(100の正方形を10段重ねて立方体を作れば1000)と、二乗三乗の数量感も育めるようです。
  • 大きな数になってもいいように、とにかく大量のChainsがありますし、それを巨大な壁に吊るして視認しながらやっていけるので、なるほど自宅でこれをやるのは大変だな、と思いました。学校でやっていただけてありがたいです。
  • carrotsareorange.com

4.英語(Reading)

★Primary Phonics set1
  • Readingについては、PhonixやRhymeなどを楽しむツールを昨年から使用していますが、保護者会ではその説明は割愛されておりました。Kinderからは基本書のリーディングを導入していくようです。
  • 正直なところ、日本人である我が息子にとってはかなりハードルが高いのですが、うちの学校は「卒業までに全員英語の本を読める」ことが目標となっているようです。涙
  • このPrimary Phonicsシリーズの、一番簡単なset1がたくさん置かれていました。
  • eps.schoolspecialty.com

★その他の本
  • 学校で使用されている本が、いくつか紹介されていました。文章が細かい….。これは、自分で読むのではなく、先生に読んでもらっていると信じよう。今度先生に質問しなくては。

5.英語(Writing)

★サークルタイム
  • 基本的にKinder以降は「なんでも書かせる」ことを心がけているようです。サークルタイムで、1日1文が紹介されますが、先生がそれを黒板に書き、子供がそれを書き写すのだそうです。
  • この日は「Today is September 27th.Fish have no lungs and have gills.」と書いてありました。これも我が子にとっては難しいのでは…ちょっと息子に申し訳なく思いました。
  • ただネイティブの子であっても、英単語を書き写すレベルの子が上記の文章をすらすら書けるとは思えませんので、まずは「単語ではなく文章に慣れる」ための取組として、サークルタイムで1日1文を書き始めているものかと理解しました。
★英単語の書き写し
  • 実際に児童がやっているWritingのワークを見せてもらいました。Mのページで「Map」であったり、本当に短い単語を、先生のお手本を見ながら摸写しているようです。

6.時計、お金

  • 時計とお金についても、年内のどこかで説明があるようです。

7.地理

★世界地図の摸写
  • 世界地図を摸写して、国別に色を塗り、国名の書かれたカードを貼っていく活動があります。
★国旗の塗り絵
  • それぞれの国旗の塗り絵がありました。各国の存在を認識することに役立ちます。

8.理科

  • 学校では毎月、魚・恐竜・宇宙・爬虫類...など、何かしらのテーマが決まっています。すると、サークルタイムの標語がそのテーマにちなんだものになっていたり、writingの文章の題材になっていたり、イベントがあったりします(爬虫類の月には、学校に大蛇がショーをしにきました)。
  • これが子供たちの知的好奇心を引き出すのが大いに作用しており、「恐竜好き」「宇宙好き」の子供たちを生んでいるように思います。

9.音楽・フランス語など

  • 10月から、週に1回ずつ、音楽の授業とフランス語の授業が始まるようです。これらは英語力がある程度ないと参加できないとのことで、渡米したての1年間は参加していなかったのですが、今年は我が子も参加するようです。大丈夫かな・・・
  • 特にフランス語については「英語すら勉強中なのに、本当に大丈夫ですか?」と校長に聞きましたが「大丈夫!積極的な挑戦は自立心を促します!」と言われ励まされました。子供に苦労させたくなくて、つい親の方が新しい取組に怖気づきますが、先生に背中を押されることがこれまでにも何度もありました
  • このほか有料ではありますが、ピックアップ後にも、学校内で行われる習い事があります(音楽、サッカーなど)。みなさん2つも3つも登録されるのですが、うちは通常授業だけでも手一杯感があり、参加していません。

10.生活態度

  • 異年齢合同クラスで3~4歳と一緒に過ごす中で、最年長児としてお手本になる行動を日々求められるようです。
  • 生活習慣としては、午前の活動時間に、既に習ったことの復習を各自で行うようです。そして午後の時間は先生から新しいことを習う時間だとか。
  • うちの学校はKinderまでしかなくて、みんな1st以降は別の学校に行きます。集団講義で座って話を聞く、手を挙げて自分の意見を言う等の、モンテ校では経験できないことは、最後の1か月で予行練習をして、公立校との授業カルチャ―のギャップに備えるようです。

11.保護者のフォロー

★自宅学習はほどほどに
  • 家でも自宅でも勉強すると、疲れて学校での意欲が落ちてしまうため、自宅ではリラックスして過ごして、勉強は学校に任せてほしいという話でした。
  • どうしても何か自宅でするなら、本を読むことがお勧め。算数については、例えば料理のお手伝いをする中で「大匙3と大匙2を合わせて、大匙5!」みたいに、日頃の会話に数字を登場させるぐらいでOKですよ、と言われました。
★プレイデート
  • Kinderに限りませんが、アメリカにきてから、とにかくプレイデートをお勧めされます。小児科の5歳児検診でも「この年齢はプレイデートが良いのよ」と言われました。
★スクリーンタイム
  • ipadなどは、やるにしても1日15分程度にとどめてほしいと説明がありました。子供はどうしても刺激の強いほうに引きずられ、学校でのアナログ作業への活力が下がるようです。
★日本人児童の英語力問題
  • 息子の英語力は明らかに同年齢の子には足りず、この授業内容を完全についていくためには、自宅で鬼の復習が必要になってしまいます。フォローすると息子が辛くなってしまうため、よほど学校から苦言を呈されない限りは、自宅学習はやめておこうと思いました。
  • Work(お仕事)自体はPre-K前からあるのに、同じ学校の日本人児童が「キンダーから授業を嫌がり始める」と聞いており、学習時間の長さは変わらないのになぜ?と思っていました。今回の保護者会に参加して、自分の中で仮説が産まれました。
    • Pre-Kまでは自由に好きなことをやっていればよかったが。。。アメリカではKinderから義務教育なので、学習目標が明確になり「○月までにXXを理解しよう」という小目標をもってカリキュラムが組まれている。それがネイティブの子にセットされているので、日本人には少し難しい(英語力がネイティブ並みだったらもちろん良いのですが)。
    • モンテ教育自体との相性の問題。作業が楽しいと思う子と、そうでない子がいる。(先生は、子供は全員作業を愛していると信じて疑わない。笑)
    • 学習時間が、日本人の子にとっては長すぎる。てっきりPre-Kと同じく午前は自由時間なのかと思ったら、午前も復習の時間になっているとは。学習時間もPre-Kと一緒ではなく、長くなっているんですね。

★感想

  • 昨年度までの内容と異なり、これまでのWork(お仕事)が義務教育の下地として一気に結びついてきた感じがします。
  • また、先取り教育を心がけていないのも印象的でした。子供は好奇心と競争心があるので、どんどん先のことをやりたがるとのことでしたが… 退屈させてモチベーションを下げないように、理解度に合わせた授業を心がけているようでしたが、「先取りが良いこと」とは考えておらず、むしろ基礎の徹底に重きをおいているようでした
  • オール英語環境でこんなに盛りだくさんの内容を処理していては、息子は本当に疲れるだろうなと思いました。勉強が好きなタイプではありますが、それでもキンダーに入ってから「勉強が大変だから学校に行きたくない」と言い出したので、先生に見つからずに静かに休憩する方法を教えました。笑 放課後に何か習い事を始めようと検討していましたが、午後の時間は休息に充てることにしようと決めました。
  • 上記のように、英語力という日本人特有の問題はあるのですが。私の住むエリアは学区の評判もよく、公立校のレートもよいのですが、うちのプリスクールは公立校のネイティブ保護者の中でも「あそこのプリの出身者は算数ができる!」と評判が良いようです。今回は、その授業内容について話を聞けて、大変勉強になりました。
  • これにキャッチアップすることを求めては、さすがに息子に申し訳ないので、引き続き「毎日登園しているだけで偉い!自宅ではゆっくりしてください!」というスタンスで子供に接しようと思いました。。。