アメリカでの主婦生活を淡々と記録するブログ

アメリカ生活の備忘録。育児の思い出記録が中心です。慣れない環境で頑張って生活していますが、喉元過ぎれば自分でも「何を頑張ってきたか」忘れてしまうので、アメリカで頑張って来たことや悩み事、楽しかった思い出の備忘録として書いています。

【まとめ】アメリカで育児教室に参加しました

アメリカで育児教室に参加しました

無料だし、とアメリカ現地にて気軽に参加した英語学習者向けの育児講座(2時間×10コマ)。テキストと先生はアメリカ、生徒は多国籍(中国、ボリビア、インド、ドミニカ・・・基本アジア+南米)という環境のオンライン授業です。

この授業が私にとって学び多く、とても良い経験だったので、講義後にテキストを読み返し、いつか読み返せるようにブログに転記することにしました。

1.日本でも育児本をたくさん読んだけれど・・・

これまで出会った育児本の中には、科学的根拠が乏しい(ような気がする)ものもあり、読んでいて混乱した経験がいくつかあります。我が子に何かしら参考になると期待して買った育児本が、読んでいるうちにデータ等のエビデンスがどんどん減っていき・・・最後はもはや著者の根拠なき持論で終わって「え?」…とモヤモヤしたことが、一度ではありません。

併せて、日本で育児をする中で、母親への期待値が高すぎるような気がしていました。
国を跨げば、もっと人間らしく自然体な母親像があるのではないか、と異国での子育てに関心を持っていました。

2.使用したテキスト

Nurtring Skills For Familiesというテキストを使いました。これはもともと、虐待やネグレクト(そして、その世代間連鎖)を防止する目的で啓発活動をしている団体が作成しているハンドブックのようです。育児に関する基本的な事項が書かれており、そんな中でも日本との違いを感じる部分もありました。

3.受講した内容

受講したテーマは下記のとおりでした。

 1 Nurtring as a Life style(ライフスタイルの中の子育て)
 2 Preschoolers Development (幼稚園児の発達)    
 3 Having Appropriate Expectation(適切な期待)
 4 Developing Empathy(共感性を育む)
 5 Getting My Needs Met(自分の欲求を満たす)
 6  Spoiling Children(子供を甘やかすこと)
 7 Praising Children and their behavior (子供自身と、その行動を褒める)
 8 Recognizing and Understanding Feelings(感情の認識と理解)
9 Criticism and Confrontation(批判と対立)
10 Fair Fighting(公平な喧嘩)
11 Understanding and Handling Stress(ストレスを理解し、マネジメントする)
12 Understanding and Expressing Anger(怒りを理解し、マネジメントする)
13 Improving self worth(自分の価値を感じる)
14 Developing personal power in Children and Adults(自分の力を感じ、伸ばす)
15 Helping Children Managing their Behavior(子供が行動を律することを助ける)
16 Understanding Discipline(しつけを理解する)
17 Developing Family Morals and Values(家族で共有する道徳心と価値観)
18 Using Rewards to Guide and teach Children(ご褒美を使った指導)
19 Using Punishment to Guide and teach Children(罰を使った指導)
20 Why their spank their children(なぜ親は子供を叩くのか)
21 Ignoring Inappropriate Behavior(不適切な行動を無視する)

以下、自分なりに印象深かった項目を振り返ります。

 

4.学んだこと①なぜ子供を褒めるべきなのか?

>14 Developing Personal Power in Children and Adults(自分の力を感じ、伸ばす)の回

(1)子供が悪の道を自分で絶ち、自己を律する力をつけるため
  • 日本でも話題の「褒める育児」、私も憧れてはいます。ただ自分自身が褒められずに育ってきたこともあり、どこかこれまで腹落ちできずにいました。ぜ褒めるのか理解していないし、どう褒めるべきかもわからない、褒めた結果どうなるのかもわからなかったのです。
  • 我が子を褒めるべき理由の1つ目が「自己を律する力をつけるため」と理解しました。
  • テキストにティーンエイジャーになるまでに、薬物や性暴力に毅然とNOが言える子に育てる必要がある」と書いてあり、アメリカの環境の厳しさを感じました。悪の誘いにNOと言えるためには、自己肯定感や自信、自分が大切にされているという感覚が必要であり、そのためには親からのポジティブな働きかけ(褒めること)が欠かせない…ということでした。
(2)子供の能力資質を発掘するため
  • 我が子を褒めるべき理由の2つ目…これははっきり授業で説明されたのではなく、講義内容を踏まえて自分なりに解釈したことですが、「誰かに褒めてもらわないと、人は自分の持ち味に気づかないから」ということです。
  • 受講生のグループディスカッションで「あなたのpersonal power(強み)は何ですか?というテーマの時に、うち1人が「私の強みは『愛すること』で、私は他人に愛を与えることが得意です」と言いました。
  • 私は「愛すること」が能力資質のひとつだという感覚がこれまでなかったので、これを聞いた時に鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けました。言われてみれば確かに、生きていく中でかなり重要な能力だし、人により得手不得手がある。得意なら、それは明らかに「強み」です。
  • 幼少期に誰かが褒めて、言語化してくれないと、そもそもその強みの存在に気づかないものですね。子供自身も気づかない自分のパワーを発掘して、自覚させてあげるために褒めるのだと学びました。

5.学んだこと② 子供の自己肯定感をあげる方法

>13 Improve Self-worth(自分の価値を感じる)の回

  • 子供の自己肯定感を上げる10のtipsが紹介されていました。
  • 私のお気に入りは「子供にやってほしいことを、親が自分でやってみて、そして親が自分自身を褒めること」です。親の自作自演ですね。
  • 「子供のセルフイメージは、親の働きかけの積み重ね!」という言葉が好きでした。子供はコツコツ大事に育てないといけませんね。

6.学んだこと③ 感情表現、特にアンガーマネジメント

8 Recognizing and Understanding Feelings(感情の認識と理解)の回

12 Understanding and Expressing Anger(怒りを理解し、マネジメントする)の回

  • 家庭は感情表現の練習場。家庭内で感情表現を学べないと、社会でも感情をうまく表現できない
  • 怒りは表現すべき感情であるが、その表現方法には注意が必要(環境や他人を傷つける表現方法は認められない
  • 子供が怒りを表現できる方法をいくつか決めて、そのとおり振舞えたら褒めてあげる(寝る、誰かと話す、好きなことをする、短期的な怒りであれば数字を10数える等がお勧め)
  • アメリカではこんなに小さな子供にもアンガーマネジメントを教えるのか、と感嘆しました。大人でもできないことがありますよね。

7.学んだこと④ 親自身のストレスマネジメントの大切さ

>11 Understanding and Handling Stress(ストレスを理解してマネジメントする)の回
>5 Getting My Needs Met(自分の欲求を満たす)の回

  • 親自身がストレスに自覚的になり、そのマネジメントをすることが大切。心のチャージができるお気に入りのルーティンを確立すること。いわゆる「自分の機嫌を自分で取る」ことの大切さについて講義がありました。
  • この点、日本の母親に求められる像と少し乖離があるかもしれない。ストレスマネジメントには時間もお金もある程度必要ですが、それを求めてはいけない感覚がある… 日本の母はとにかく我慢!そんな感覚も少しずつ変わっていくといいなと思います

8.学んだこと⑤ Empathy(共感性)へのニーズの大きさ

>4 Developing Empathy(共感性を育む)の回

  • 日本人の「察してくれ」がダメだと言われることが多い(自己主張をハッキリしないのはNGの意味)けど、一方で、他人の心情を「察するスキル」は必要であり、良い能力であるという論調でした。
  • このEmpathyは、受講生の中でも出身国問わず「自分の子供に身につけてほしい力」に多く含まれていました

★まとめ

  • とにかく「親自身が子供の手本になる」。そのために「親自身がストレスマネジメントを行う」。非常に合理的で納得のいく説明でした。
  • 長年の疑問「なぜ褒めるのか?褒めた結果どうなるのか?」も、いつか悪の道への誘いが来た時にも自らNOが言える(自分の価値を認識し、あるべき行動を主体的に選択していける)子供になるため。そのために、親が子供の能力資質を発掘し、自覚させ、伸ばし、自信をつける必要があるためであると、自分なりに腹落ちしました。
    • 悪の道を自ら絶てる子供に育てたい→子は「自分は他人から愛された、大切な存在だ」と自己認識できている状態→そのためには子のSelf-worthを高く保つ必要がある→その手段として、褒めることが大事。とにかく褒める褒める褒める!!…という理解です。
  • 新しい発見が多々あった子の講義が大好きになり、ノートをブログに載せるくらい😂新しいことが学べて嬉しかったです。